プレイしたゲームを中心に、CD・漫画・児童文学の感想、その他日常について書いています。
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伊藤 遊 先生 著
『えんの松原』 読了です。
怨の待つ原。
わけあって女の子の格好をしている少年・音羽丸と、
ほんとうは女の子に生まれたかった東宮・憲平親王の物語。
鬼の橋も好きでしたが、読後こちらのほうがお気に入りになりました。
それではがっつりネタバレ感想いきたいと思います。
13歳の男の子が女の子のふりって無理があるw
現代ほど発育が良くないからいけるのかもしれないけど。
何にしても女装・男装ネタは大好きなので、この辺りも含めてワクワクしながら読むことができました。
音羽は常に女装ですが、二回ほど憲平がお忍びのため女童の格好をしたときもヒャッホウ!でした。
で、これがだんだんと似合わなくなってくるというのがまた醍醐味だと思います。
本来の姿に戻ったときの清々しさが良い。
音羽はいつかバラすのかな??と危惧しましたが、見破られた二人以外には隠し通しましたね。
(夏君はグレーなのでノーカウント)
こういうのってバラさないから楽しいんだと私は思っているので、最後だからって
「じつは男でした!」
なーんてことをしなくて本当によかったです。
長年 自分を呪い殺そうと散々苦しめてきたのは、“女の子”として生まれるはずだった自分。
なんという・・・
おそらくこの人が作中で最強だろうと思われる阿闍梨さん。
生まれてくる前に母親の胎内で赤ん坊を性転換させるというトンデモな秘法の持ち主 ゚ ゚ ( Д )
これが全ての元凶だった訳ですけれども。
でもこの人もまわりのお偉方に言われてやったんでしょうし、彼ばかりが悪いとは思えない。
「だれかが自分の思いを通せば、だれかの思いが通らない」
第七章・p367
ぐっさり
その通りすぎてぐうの音も出ません。
こればっかりは本当にどうしようもない。自分の中で折り合いをつけるしかないんですよね…。
「怨霊のいない世の中というのは、本当にいい世の中なんだろうか。
(中略)
忘れてしまうんだ、かなしい思いをしたまま死んでしまった人間のことなんか。
それはもしかすると、今よりもずっと恐ろしい世の中なのかもしれない」
第七章・p381
無念のうちに亡くなった者が心安らかに眠れる世の中、がベストかもしれませんね。
残された人々が忘れずにいることは、少なからずそれに貢献すると思います。
「腕を差し出したら、どんなことがあっても必ず受け止めてやるんだ。
できないのなら最初から手を出すな」
第七章・p387
これは耳が痛かった。何事もそうですよね。中途半端な気持ちでやるならやらないほうがいい。
しかし私はそれが出来ないタイプ(笑)
うまくいかなくて途中で投げ出すかもしれなくても、やりたいことはやってみないと気が済まないのです…
音羽は一度 受け止め損ねていますけど、成功させていたら間違いなく死んでいたと思うのですが。
“受け止める側” にも基準があるというか、憲平じゃなきゃダメだったんでしょうね。
お帰り、逢いたかったよって言えるまでの胸中を思うと、あまりのせつなさに番小屋の梯子を猛スピードで登っててっぺんでうわああああって叫びたいような衝動に駆られます。
その後 護摩めっちゃ焚かれて阿闍梨に調伏されるところまでフルコースでね!
「阿闍梨、下がってよいのはあなたのほうです」
第六章・p355
「言ってくれるね。見てて、この次はもっとうまくやるから」
第七章・p377
これどちらも 憲平ぼっちゃんの台詞です。
びっくりしました。あの気弱で頼りなく遠慮深い親王様が…!!
言ってくれるねってか!むしろこっちが言いたいわw
こういう登場人物の成長をさりげなしに感じられる場面がとっても好きです。
印象深い部分について述べてまいりましたが、なんという第七章の多さw
伊藤遊先生の他の作品も読んでみたいのですが、残念なことに舞台が現代なのですよね。
私としましては 『鬼の橋』 『えんの松原』 のような世界観のものを拝読したいので、
ちょっと手が出ずにいます。
またこんな感じの物語を書いてくれないかな。
現代ほど発育が良くないからいけるのかもしれないけど。
何にしても女装・男装ネタは大好きなので、この辺りも含めてワクワクしながら読むことができました。
音羽は常に女装ですが、二回ほど憲平がお忍びのため女童の格好をしたときもヒャッホウ!でした。
で、これがだんだんと似合わなくなってくるというのがまた醍醐味だと思います。
本来の姿に戻ったときの清々しさが良い。
音羽はいつかバラすのかな??と危惧しましたが、見破られた二人以外には隠し通しましたね。
(夏君はグレーなのでノーカウント)
こういうのってバラさないから楽しいんだと私は思っているので、最後だからって
「じつは男でした!」
なーんてことをしなくて本当によかったです。
長年 自分を呪い殺そうと散々苦しめてきたのは、“女の子”として生まれるはずだった自分。
なんという・・・
おそらくこの人が作中で最強だろうと思われる阿闍梨さん。
生まれてくる前に母親の胎内で赤ん坊を性転換させるというトンデモな秘法の持ち主 ゚ ゚ ( Д )
これが全ての元凶だった訳ですけれども。
でもこの人もまわりのお偉方に言われてやったんでしょうし、彼ばかりが悪いとは思えない。
「だれかが自分の思いを通せば、だれかの思いが通らない」
第七章・p367
ぐっさり

こればっかりは本当にどうしようもない。自分の中で折り合いをつけるしかないんですよね…。
「怨霊のいない世の中というのは、本当にいい世の中なんだろうか。
(中略)
忘れてしまうんだ、かなしい思いをしたまま死んでしまった人間のことなんか。
それはもしかすると、今よりもずっと恐ろしい世の中なのかもしれない」
第七章・p381
無念のうちに亡くなった者が心安らかに眠れる世の中、がベストかもしれませんね。
残された人々が忘れずにいることは、少なからずそれに貢献すると思います。
「腕を差し出したら、どんなことがあっても必ず受け止めてやるんだ。
できないのなら最初から手を出すな」
第七章・p387
これは耳が痛かった。何事もそうですよね。中途半端な気持ちでやるならやらないほうがいい。
しかし私はそれが出来ないタイプ(笑)
うまくいかなくて途中で投げ出すかもしれなくても、やりたいことはやってみないと気が済まないのです…
音羽は一度 受け止め損ねていますけど、成功させていたら間違いなく死んでいたと思うのですが。
“受け止める側” にも基準があるというか、憲平じゃなきゃダメだったんでしょうね。
お帰り、逢いたかったよって言えるまでの胸中を思うと、あまりのせつなさに番小屋の梯子を猛スピードで登っててっぺんでうわああああって叫びたいような衝動に駆られます。
その後 護摩めっちゃ焚かれて阿闍梨に調伏されるところまでフルコースでね!
「阿闍梨、下がってよいのはあなたのほうです」
第六章・p355
「言ってくれるね。見てて、この次はもっとうまくやるから」
第七章・p377
これどちらも 憲平ぼっちゃんの台詞です。
びっくりしました。あの気弱で頼りなく遠慮深い親王様が…!!
言ってくれるねってか!むしろこっちが言いたいわw
こういう登場人物の成長をさりげなしに感じられる場面がとっても好きです。
印象深い部分について述べてまいりましたが、なんという第七章の多さw
伊藤遊先生の他の作品も読んでみたいのですが、残念なことに舞台が現代なのですよね。
私としましては 『鬼の橋』 『えんの松原』 のような世界観のものを拝読したいので、
ちょっと手が出ずにいます。
またこんな感じの物語を書いてくれないかな。
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